焼付塗装

BAKING FINISH
■塗装可能サイズ
高さ 1800 × 長さ 3000 × 幅 800
■制限重量
200kg
塗装可能サイズ

塗装可能サイズを超えるもの」制限重量を超えるもの」
塗装できません。

■塗装可能な塗料
メラミン樹脂塗料
アクリル樹脂塗料
フッ素樹脂塗料
ウレタン樹脂塗料
エポキシ樹脂塗料
塗装可能サイズ

メラミン樹脂塗料

メラミン樹脂塗料は安価で、耐久性もあるため、スチールラックやバスの内外装など、屋内外様々な場所で使用される工業製品に使用されています。用途が幅広く、塗料の価格も比較的安価なため、当社に塗装依頼されている部品の30%程度がメラミン樹脂塗料で塗装されています。また、他の焼付塗料に比べて焼付温度110~140度程度と低めのため、エネルギーのロスも少ないECOな塗料です。
適した用途:屋内

アクリル樹脂塗料

アクリル樹脂塗料は、透明度が高く美観を重視する部品に使用されることが多いです。富山県内においては、アルミ建材の塗装に多く使用されています。焼付温度は180度以上であり、塗装膜の硬度は鉛筆の硬さで3H程度になる硬い塗料です。メラミン樹脂塗料よりも紫外線に強く、長期間屋外で使用される部品などにはアクリル樹脂塗料を採用することが一般的です。ただ、焼付温度が高いため肉厚の部品は十分に温度管理がされていないと焼付不足になる可能性があるため、注意が必要です。
適した用途:屋外

フッ素樹脂塗料

フッ素樹脂塗料は非常に高価な塗料で、塗装した部品を容易に交換できない高層建築物や高圧電線の鉄塔などに多く使用されています。耐久性が高く、紫外線にも劣化しにくいという特徴があります。当社においては、大手建材メーカーからの依頼で塗装することがあります。価格面では色調によって異なりますが、アクリル樹脂塗料の5倍程度となっておりますので、環境によってはアクリル樹脂塗料が採用されることもあります。
適した用途:屋外

ウレタン樹脂塗料

ウレタン樹脂塗料は塗料と硬化剤を混合して硬化させる2液型の塗料です。焼付塗装に不向きな肉厚の鉄板に塗装する場合によく使用されています。焼付塗料はそれぞれの塗料に設定されている焼付温度と焼付時間を満たさなければ塗料としての真価を発揮することができずに、剥離や腐食の原因となります。そのため肉厚の部品の場合には、その部品が温度と時間を満たしているのかをしっかりと確認する必要があります。その点、硬化剤を使用して硬化させる場合には、薬品の反応で塗料が硬化していきますので、焼付が必要ありません。ただ、硬化剤を使用する分、価格は若干高価になります。当社では、建設機械などの厚い鉄板を使用する部品に使用しています。
適した用途:屋内

エポキシ樹脂塗料

エポキシ樹脂塗料は紫外線への耐性は低いものの、薬品や水・油などに強く、部品との密着性も高いため、おもに下塗り用の塗料として使用されています。塗料のほかには接着剤にも使用されています。ただ、屋外で使用する場合にはエポキシ樹脂単体の場合には、紫外線で早期に劣化してしまうため、上塗りとして紫外線に強い塗料を塗布して、腐食と紫外線に強い仕様とします。なお、当社のカチオン電着塗装はエポキシ樹脂を採用しています。
適した用途:環境が良くないところ

上記以外の塗料でも取り扱いしている場合があります

■塗装工程

脱脂洗浄

製品についている油や汚れを落とす目的で行います。
アルカリ系洗浄剤を使用しています。

化成被膜処理

錆止め及び塗装の密着性を高める目的で行います。
リン酸亜鉛処理かジルコニウム処理が選択できます。

塗装・焼付

塗装は、下塗+上塗+焼付の2コート1ベーク仕様の製品が多いです。
塗装仕様や膜厚指定がある場合、3コート2ベークなどの対応も可能です。
脱脂洗浄

脱脂洗浄

化成皮膜処理

化成皮膜処理

塗装

塗装

焼付

焼付

①焼付塗装について

焼付塗装とは、加熱によって硬化する樹脂が使われた塗料で、塗装を行う方法です。自動車部品や建材、スチール家具などは焼付塗装が施されています。
仕上がりが美しく強度も高いのが特徴です。
但し塗料によって、焼付する温度が厳格に定められており、肉厚の鉄板に適用するのが難しいため、橋や船舶などには用いられていません。
塗装後の焼付工程では専用の焼付炉が使用されており、この炉に入りきらない大きさの製品は塗装できません。塗装可能サイズの設定があるのはこのためです。
塗装設備は各社によって異なるため、焼付塗装を行なっている会社でも塗装可能な製品は異なります。

塗装
焼付
塗装可能サイズ

②制限重量について

焼付塗装では、塗装工程から焼付炉までの搬送が必要です。当社では、搬送ラインに製品を吊り下げて搬送しているため、重量に制限があります。
また、重量物の場合、焼付時間が長くなるため価格が高くなります。

制限重量

③塗装について

当社では、加熱して硬化する塗料の他にも、薬品を塗料に混入して硬化させる2液型の塗料で塗装することもできます。
塗料は、「塗装の強度を決定する樹脂」と「色を決定する顔料」で構成されています。
製品の用途により、どの樹脂の塗料を使用するかが異なります。
主に屋外で使用される製品には、紫外線に強いフッ素樹脂やアクリル樹脂が使われています。
屋内で使用する製品や、数年で塗り替えられる製品には、メラミン樹脂がよく使われます。
エポキシ樹脂は、薬品や油、水に強いため、腐食しやすい環境に置かれる製品の、下塗りとして使われます。一方、エポキシ樹脂は紫外線に弱いため、ほとんど日光が当たらない場所であれば、上塗りとして他の樹脂と併用して使われることもあります。

2液型塗料
屋外
屋内

④塗装の方法について

当社の塗装方法はスプレーによる噴霧塗装です。建設関係では、刷毛やローラー、スプレーなどを使用しますが、工場で焼付塗装を行う場合はほとんどがスプレーでの塗装です。
特徴は、薄厚で美しい仕上がりになる点です。また、静電気を用いて塗料が製品に付着しやすくすることもできます。
なお、焼付を行わずに塗装することを「吹付塗装」と言うことがありますが、塗装方法は「焼付塗装」も「吹付塗装」も同じです。使用する塗料により名称が異なっているとお考え下さい。

静電塗装について

⑤静電塗装について

北陸セイデンの会社名は、静電気を使用して塗装する事が由来です。とはいえ、静電気を使用して塗装を行うのは当社だけではなく、工場で塗装をする会社では一般的なことです。
メリットは、塗料が製品に付着しやすくなり、塗り残しが少なくなることです。その結果、塗料の使用量も減らすことができます。
デメリットは、空気中の異物も静電気により付着しやすくなり、管理が悪いと不良率が上がってしまう点です。当社では特に美観を重視する製品の場合は静電気を使っていません。
身近なものでいえば、サランラップを小さくちぎった時、静電気で指から離れにくくなるのと同じ原理です。

静電塗装について

⑥塗装仕様について

製品の用途によって塗装の方法や塗料は異なります。塗装は厚く塗れば塗るほど腐食しにくくなるので、船舶に使われる塗装は大変厚くなっています。反面、美しさを求める製品は、薄膜で仕上げる傾向にあります。また、屋外で使用される製品は紫外線に強い塗料を使用する必要があります。近年の塗料は高品質になったため目にすることは少なくなりましたが、ガードレールに寄りかかって服が白くなった時は、塗料が紫外線に負けて白化と言う状態になっていることが原因です。当社での塗装は主に以下の仕様で仕上げます。

建材など長期に渡って屋外で使用される製品

下地処理リン酸亜鉛やクロムなど。腐食に強く、金属と塗料の密着を高める薬品を使用。
下塗塗装エポキシ樹脂系。密着力が強く、水や油などにも強い塗料。
上塗塗装アクリル樹脂やフッ素樹脂などの紫外線に強い塗料。
フッ素系は高価ですが、より長持ちします。上塗りは、複数回、塗り重ねることがあります。

自動車部品など屋外で使用かつ環境が変化する製品

下地処理リン酸亜鉛やジルコニウムなど。海外での環境規制に対応して、かつ腐食に強い薬品を使用。
下塗塗装「カチオン電着塗装」という電気を用いた非常に密着力の強い塗装。
使用している塗料はエポキシ樹脂系、当社では黒色のみ。
上塗塗装塗装を塗り替えない製品はアクリル樹脂系、塗り替える可能性が高い製品はメラミン樹脂系。
建材など長く使われないのでフッ素系はあまり使用しない。

主に屋内で使用される製品

下地処理リン酸亜鉛。当社では設備の関係上、リン酸亜鉛を使用していますが、
リン酸鉄という取り扱いやすい薬品を使用している会社もあります。
上塗塗装塗装を塗り替えない製品はアクリル樹脂系、塗り替える可能性が高い製品はメラミン樹脂系。
フッ素系はあまり使用しない。
お問い合わせ
お見積もり依頼
印刷用PDFをダウンロード